オホーツクのテロワールを食す
 北限への挑戦から生まれた海苔本来の味と香り
     今や誰もやりたがらないあたりまえの手法が本物を作り出した。

無酸処理で育てられるサロマ湖の海苔
二代引きつづいた挑戦は、本州の海苔にない味の可能性を確信したから

 ホタテや牡蠣の養殖で有名なサロマ湖。汽水湖であるサロマ湖はここに流れ込む山からの水とオホーツク海の海水によって成り立つ環境だ。過去、環境の変化によって甚大な被害を経験してきたサロマ湖の漁民達は湖水環境保全にはことのほか意を尽くしている。「森は海の恋人、川は仲人」を合い言葉に「豊かな湖作りは豊かな森作りからはじまる」と、サロマ湖を漁場とする常呂漁協、佐呂間漁協、湧別漁協が毎年「お魚殖やす植樹運動」を実施している。

 そのような環境のサロマ湖で、近年特に注目を浴びているのがカネテツ谷川水産の採取する海苔である。
 サロマ湖の海苔養殖の歴史は50年前にさかのぼる。1963年(昭和38年)サロマ湖養殖漁業協同組合が岡山県から谷川哲康さんはじめ5軒の養殖業者を呼び寄せ、養殖に取組むがその成果はなかなか上がらず、1軒また1軒と離れていった。最後には谷川さんだけが残ることとなった。

 谷川さんがサロマ湖での海苔養殖を諦めなかったことには理由がある。「それは海苔の味が良かったから。これは本州の海苔にはない味がする。これが天然の味だ。」と感じたからだ。しかし、海苔養殖が軌道に乗るまでは苦労の連続だった。サロマ湖にあったタネをどうやって殖やすか、養殖にあった水域はどこかを探すために多くの時間が費やされた。そしてこれらの努力の成果が見えてきたのは、二代目の哲也さんが家業についた1977年(昭和52年)頃からだ。

 哲也さんはこの海苔を持って札幌の自然食品店に売り込んだ。やがて風味の良さは評判となり、全量が札幌だけで消費されるまでになった。今では札幌や地元北見の鮨屋でも使われるプロの認める味である。
 
50年に及ぶ挑戦ができたのは、この海苔の味が本州にはない「天然の味」だからだと哲康さんは語る

良質なホタテや牡蠣を生むサロマ湖のテロワールと手間暇かかる無酸処理の手法がサロマ湖の海苔を本物にする

 哲康さんが「この海は若い」と感じたという。冷涼な気候と毎年の植樹運動がもたらすミネラル分豊富なサロマ湖の環境を哲康さんはそう表現する。良質なホタテ、牡蠣を生むサロマ湖の環境(テロワール)がサロマ湖の海苔にも確実に引き継がれているのである。そして、更に重要なことはサロマ湖が、他の養殖地とは違い「酸」におかされていないということでもあるだろう。
 
 今や全国どこの養殖地も海苔網に酸処理をするのがあたりまえとなった。酸処理をしていないのは、谷川さんと九州有明の一部の生産者のみである。海苔網を海中に入れ続けると、汚れがつき、赤腐れという病気にもなる。これを一気に解決するのが「酸処理」で、海苔網をPH2という強い酸に浸すのである。

 しかし、その結果は海苔が本来持つ青味をなくし、干しあがった海苔は紙のように硬くなる。谷川さんがやることは、海苔網についた汚れや余分な珪藻類をブラシで落すこと。本当に手間暇のかかる方法である。しかし、その差は火に焙れば隠しようもなくわかる。香り立つ磯の匂い、サクサクの歯応え、深みある味。「天然の味」の意味がここにある。

オホーツクのテロワールを食す谷川水産のサロマ湖のりセット
    (採取地)佐呂間町

 サロマ湖という良質の養殖環境と酸処理を行わない方法により海苔本来の香りと味が生きています。
 新芽をそのまま乾燥させた素干し海苔と摘み取り時期を厳選した焼き海苔のセットです。

素干し海苔10g入り1袋
焼き海苔10枚入り1袋 
 1,450円
(税込み・送料別) 
         
 同梱不可(オホーツクテロワールの店からの商 品との同梱は可能です)
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